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総費用線と売上高線の交点が「損益分岐点」=17,143万円となる。
変動費、固定費が増減すると利益は?
図を見てもわかるように、「損益分岐点は」売上高が同じならば、変動費、固定費の増減が影響する。どのように変化するか比べて見たのが9頁のA〜Fの6枚の図表である。比較のため図表は、売上高を100%とした割合で示してある。
A図は、計算例一1の図表のまったく同じもので、売上高:1OO%、変動費65%、固定費25%、利益10%で示してある。
各図を、A図と比べてみよう。
B,C,D,E,F図共に損益分岐点の位置が右に寄ったり、左に寄ったりしている。なかでもF図は変動費と固定費の両方を節減してあるから、分岐点が左側に寄り図の中央位に変化している。しかし、実際の場合には、変動費、固定費の節減は、なかなか困難な場合が多く、節減には苦労がいる。
変動費、固定費の節減は造船業の場合に変動費とは主要材料、副資材と、主機関、シャフト、プロペラ補機、甲板機械、船体、機関、電気艤装部品、般用品、計器類などの購入費、工賃(外注、下請)がその大部分をしめている。
また動力用能力、燃料費、工業用水料も含み、その節減には購入品の単価の引下げ、消耗品の節約などが目標となる。
固定費については、人件費(職員、常備工)の給料、土地、建物、設備などの固定資産税、保険料、減価償却費など節減は困難なものが多く、節減はあまり期待できない。
変動費、固定費、各々性格があり、これを無視して無理をすると思わぬ破たんが生じるから、節減はぜひ必要であるが、内容をよく検討して慎重に行うことが大切である。
売上高を増すこと下図のように変動費と固定費の節減が無理ならば「損益分岐点」を下げるには、売上高を増す以外にない。

売上高が増した場合の試算

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